1.犬の名はシルフ
ある日海岸沿いの国道で
遠い目をした男が歩いていた
男は言う「孤独なんだ もうここで終わらせよう」
しかしその時 野良犬に噛まれたんだ
ただその時ふと気づいたんだ
痛みこそ存在の証明
そして男はその野良犬を家へ連れて帰った
こいつは命の恩人です 神様です
犬はただ飢えに果て
意識朦朧男を噛んだだけなのだが
そんなことも気にもせずに 毎日犬を可愛がってた
七色の世界が戻った
ただその時ふと気づいたんだ
誰かのために生きる価値を
そして月日が経ち 12月の寒い夜
犬は風となって 男は泣いたんだ
ただその時ふと気づいたんだ…
ただその時ふと気づいたんだ
思い出に感謝することを
そしてこのことを男は歌にした
いつかどこかの君に想いを伝えよう
Words by 加世多 俊輔
2.世界一バカで単純な歌
友が遊ぶ約束をした日に死んだんだ
最後に話した相手が僕だって聞いた
青すぎる太陽が時々まぶしかったり感じるんだ
それでもまた明日は必ずやって来るから夜を待とう
「じゃあ例えば僕が死んだらどうする?」って
まるで誰かの歌みたいなことを言うけど
そのときは太陽のように明るかった
君の笑顔が見たい
ただいまの後の返事で涙が出る 君が笑う
愛されるぬくもりを初めて感じられた 僕が笑う
ああ ただバカみたいに明るい
だけどあいつも君も今は遠いお星様
僕は今日もまた一人ぼっち 夜を待つよ
それでもまだ今も 生きている 生きている 生きている 息をしてる
今はあさっての夢は見られないけど息をしてる
だから今はささいな幸せ感じるたび微笑むんだ
そしたらさ 気づいた 周りの人すべてが微笑んでた
ただ ただ 単純に人を愛す
Words by 加世多 俊輔
3.兎
たとえば僕の嘘を君が知っていたとして
うさぎが言った言葉 「もう我慢しないで」
思えばきりが無いほどの大事なものを置いてきた
僕はもう大人になっていくんだ
笑い方も忘れるかな
こんな言葉にならないほど君がこの胸をしめつける
いっそこのままどこかへと消えようかってたまに思うんだよ
ただそれだけで少しでも僕に愛を
夜空を見上げれば君に出会えるんだ
うさぎが言った言葉 「大丈夫、見守ってるから」
こんな言葉にならないほど君がこの胸をしめつける
いっそこのままどこかへと消えようかってたまに思うんだ
月と地球の距離のように もう僕らは触れ合えはしないけど
どうか うさぎよ お願い この星の夜を見放さないで
ただそれだけで少しでも僕に愛を
僕に愛を…
Words by 加世多 俊輔
4.夜景スクリーン
いまだ消えない梅雨前線 今年はいつもより長い
晴れないかな 晴れないかな
てるてる坊主に願うのは「どうか明日晴れてくれよ」
窓の外から雨音が聞こえ
明日への時間を数えているようだ
伝えたい想いがある
君に明日ちゃんと話せるかな
行きたいところがある
君は喜んでくれるのかな
約束の場所へ夜の街を走るがまだ雨は止まない
アスファルトのにおいがした
君に会ったらまず何て言おうか
そんなこと考えてたら少し晴れてきた
伝えたい想いがある
君を乗せて今 夜のパレードへ
今日の君はどんな
顔を見せてくれるのかな
伝えようこの想いを
そう決めて目的の場所に来た
ここから見る夜景は
君と僕 二人だけのスクリーンなのさ
夜景に目を奪われて
今日も上手く言えないや
Words by 加世多 俊輔
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